はじめに
「せっかく作った離乳食を一口も食べてくれない…」
「毎食べーっと吐き出されて、もう疲れちゃった」
「周りの赤ちゃんはパクパク食べてるのに、うちの子だけ…」
そんな風に思っているママ、安心してください。あなただけじゃありません。
厚生労働省の調査によると、離乳食で困ったこととして「食べる量が少ない」という声が多く挙げられており、実際に離乳食で悩んだ経験のあるママは約8割にのぼります。
つまり、10人のママがいれば8人が同じように悩んでいるということ。
私たちママは「赤ちゃんが食べてくれない」ことを、まるで自分の責任のように感じがちです。「作り方が悪いのかな」「愛情が足りないのかな」なんて自分を責めてしまうこともありますよね。
でも大丈夫。赤ちゃんが離乳食を食べないのには、ちゃんと理由があります。そして、その理由さえわかれば、きっと解決への道筋が見えてきます。
この記事では、月齢別の「食べない理由」と「今すぐできる対処法」を、わかりやすく整理してお伝えします。きっと今日から、食事タイムが少し楽になりますよ。
離乳食を食べない7つの理由
まず、なぜ赤ちゃんが離乳食を食べてくれないのか、主な理由を見てみましょう。
1. 食べることにまだ慣れていない
赤ちゃんにとって離乳食は、生まれて初めて母乳やミルク以外で口にする食事です。そのため食事という行為に慣れるまでに時間がかかります。
今まで液体しか口にしたことがない赤ちゃんにとって、固形の食べ物は「未知の物体」。びっくりして警戒するのは、当然のことなんです。
2. 食材の形状・固さが合わない
同じ月齢でも、歯の生え具合や口の筋肉の発達は、個人差が大きいもの。これまで食べていたのに食べなくなった場合には、新しく取り入れた食材や固さが合っていない可能性があります。
特に離乳食の段階が進むタイミングでは、口腔機能が発達してきて、舌もよく動くようになり、今まで食べていたトロトロ状のものを嫌がったりします。
3. おなかが空いていない
おなかがすいていないと赤ちゃんは食事をしたいと思いません。いっぱい外で遊んだ日はモリモリ食べるなんてこともあります。
離乳食を母乳・ミルクを飲む少し前の時間に離乳食をあげるのが基本ですが、先に母乳・ミルクを飲んだ後だとおなかがいっぱいで、食べてくれません。逆におなかが空きすぎていても、大泣きして嫌がってしまうこともあります。
4. 味や食感が好みでない
味覚が発達するので、これまでの単調な味を嫌がって食べないこともあります。また、赤ちゃんによってはドロドロしたものが苦手な子もいます。
5. 食事の環境が合わない
椅子が合わない、スプーンが嫌、周りの音が気になるなど、食事環境が原因で食べないこともあります。スプーンや椅子が自分に合わず、離乳食を食べたがらない赤ちゃんがいます。スプーンを見るだけで嫌がる、椅子に座らせるとすぐに立ち上がってしまうなどの行動が見られたら、スプーンや椅子を変えてみましょう。
6. 自分で食べたい意欲が出てきた
離乳食のステップが進むと、手づかみ食べを始めるようになります。良かれと思ってママやパパが食べさせようとすると、自分で食べたい赤ちゃんは泣いたり怒ったりして、離乳食を食べなくなることがあります。
7. 単純に食べることに興味がない
食べることにあまり興味がない、1歳頃になっても自分で食べようとしないという赤ちゃんは珍しくありません。食事に興味を持たないのは個性でもあるため、むやみに心配したり食べることを強要したりする必要はありません。
月齢別の対処法
次に、月齢別の具体的な対処法を見てみましょう。
離乳食初期(5~6か月)の対処法
この時期は「食べることに慣れる」ことが目標です。
すぐにできる対処法:
– 飲み込みやすいように裏ごしする
– おかゆの上澄みをあげて、ミルク以外の味に慣れさせることからはじめる
– 温度が高すぎたり低すぎたりすることが食べない原因の場合もあるので、ミルクやおっぱいと同じ人肌程度にする
– スプーンを赤ちゃんの下唇に軽く乗せて上唇がおりてきたのを確認してからスプーンを引く
先輩ママの体験談:
「最初は10倍がゆすら食べなくて落ち込んでいましたが、お米の上澄みから始めたら少しずつ食べるようになりました。焦らず一歩ずつが大切だと実感しました。」(Aさん・第一子)
離乳食中期(7~8か月)の対処法
この時期は食べ物を「つぶして食べる」練習の時期です。
すぐにできる対処法:
– 豆腐くらいのやわらかさのものを与える
– 水溶き片栗粉などでとろみをつける
– 食べさせるペースが早すぎることで赤ちゃんが嫌がっている可能性もあります。赤ちゃんのペースに合わせ、口が空になっているのを確認してから次の一口を与えるよう意識してみましょう
– さつまいもで甘みを付ける、しらすで塩気を足す、トマトやフルーツで酸味を加えるなど、調理法を工夫してみましょう
離乳食後期(9~11か月)の対処法
この時期は「手づかみ食べ」が始まる頃です。
すぐにできる対処法:
– 手づかみ食べをしたがる時期なので、手に取って食べやすいものを用意すると食べる意欲を高めることができます。ミニハンバーグ状のお肉や、ゆでにんじんの輪切り、ロールパンの輪切りトーストなどがおすすめです
– 自分で手づかみで食べたい・スプーンを持って自分で食べてみたい……離乳食が嫌なのではなく、ママ・パパに手を出されるのを嫌がっていることがあります。そういったタイプのイヤイヤさんには、手づかみで食べさせるなどしばらく好きなように自分で食べさせてみましょう
離乳食完了期(12~18か月)の対処法
この時期は大人の食事に近づけていく時期です。
すぐにできる対処法:
– 好きなものばかり食べる偏食の子の場合は好きなもの以外のメニューを先に出して、ある程度食べてから好きなメニューを出すようにしましょう
– 手作りパンに混ぜてみたり、ハンバーグやミートローフに混ぜであげたり、煮込み料理にしてあげることで食べれることがあります
食事環境を整える3つのコツ
食べない原因が食材にない場合は、食事環境を見直してみましょう。
1. 食事のタイミングを調整する
乳幼児はおなかがすいていなければ、どんなに好きなものでも食べません。たとえば体を使った遊びでおなかをすかせる、授乳から食事まで間隔をあける、起床時間を早めて時間をおいてから朝食にするなどを試してみるとよいでしょう。
2. 食事の雰囲気作りを大切に
赤ちゃんは、大好きなママやパパのまねをしたがります。ママやパパが笑顔でいっしょに食べれば、赤ちゃんもついパクッと食べてしまうかも。食事は「楽しいこと」が何より大切です。
ママやパパの「どうして食べないの!」という気持ちは、赤ちゃんにしっかり伝わります。無理強いすると、離乳食が嫌いになるだけでなく、親子ともどもストレスになります。
3. 椅子の高さを調整する
足の裏が床や椅子の足置きに付くようにして座らせることで、赤ちゃんが安定して食事に集中できます。
ママの心を軽くする考え方
離乳食で悩むママに知ってほしい大切なことをお伝えします。
栄養面の心配はほとんど不要
1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。
成長曲線に沿っていれば問題なし
身長と体重が「乳児身体発育曲線に沿っているかどうか」を確認しましょう。体重が母子健康手帳の成長曲線に沿って順調に増えて、普段のご機嫌がよければ栄養的にも心配ありません。
個人差があることを受け入れる
生まれたときの体重が違えば、動く量も違うし、おっぱいやミルクを飲む量も赤ちゃんによって違うので、みんな離乳食本通りにいくわけがないです。
先輩ママの乗り越え体験談
実際に「食べない」悩みを乗り越えた先輩ママたちの体験談をご紹介します。
Bさんの体験談(第一子・男の子)
「8か月頃から急に食べなくなって、毎食バトル状態でした。でも市販のベビーフードを試してみたら、驚くほど食べてくれたんです。ベビーフードの味見をして、似たように作って食べさせました。大きくなるにつれて運動量も増え、徐々にたくさん食べてくれるようになりました。手作りにこだわりすぎていたことに気づきました。」
Cさんの体験談(第二子・女の子)
「離乳食中期から後期に進むタイミングで全く食べなくなりました。中期のころの柔らかい感じにもどしたら食べてくれ、後期のかたさにしたらイヤイヤ。せっかく本を見て工夫して作ってもほとんど食べてくれず、悲しかったです。でも赤ちゃんのペースに合わせて、固さを調整したら食べるようになりました。」
Dさんの体験談(第一子・女の子)
「野菜を全然食べてくれなくて悩んでいましたが、野菜のピュレをパンケーキにつけると完食!してくれるようになりました。形を変えるだけで、こんなに変わるなんて驚きでした。」
今日からできる5つのラクになる工夫
最後に、離乳食作りと食事タイムが今日からラクになる工夫をご紹介します。
1. ベビーフードを上手に活用する
手をかけて一生懸命作ったのに食べないとがっかりしてしまうので、冷凍やレトルトや瓶詰めも活用して、負担にならないようにするとよいかもしれません。
罪悪感を感じる必要はありません。ベビーフードは栄養バランスが考えられて作られているので、むしろ栄養的には安心です。
2. 作り置き・冷凍を活用する
作った物をなるべく小さ目の小分けにして冷凍しておき、食べる分だけ解凍していくというのも手です。
週末に1週間分をまとめて作って冷凍しておけば、平日の負担がぐっと軽くなります。
3. 食べなくても20分で切り上げる
食べる時間を一定にし、どんなに欲しがっても20分で切り上げるようにしました。
だらだら食べさせるより、メリハリをつけた方が赤ちゃんにとっても良い習慣になります。
4. 汚れ対策を万全にする
赤ちゃんにはエプロンをつけ、食卓にはランチョンマット、床にシートを敷くなど、食べこぼし対策をあらかじめ万全にしておけば、ママやパパのストレスもなくなります。
5. 完食を目標にしない
いつも離乳食を残してしまう場合、食べないのではなく、量が多すぎるのかもしれません。目安量と「その子にとっての適量」は違います。
最初から少なめに用意して、「完食できた!」という成功体験を積み重ねることの方が大切です。
まとめ:今日から心を軽くして
離乳食を食べない悩みは、本当に多くのママが通る道です。あなただけじゃありません。
大切なことは、赤ちゃんにはそれぞれのペースがあるということ。そして、母乳やミルクをまだ飲んでいる時期なので、急に栄養失調になったりする心配はありません。少し長い目で見守ってください。
今日からできることは:
– 赤ちゃんの月齢に合った食材の固さ・大きさを確認する
– 食事のタイミングを見直す
– 完食より「楽しい食事時間」を目指す
– 食べなくても自分を責めない
– 必要に応じてベビーフードも活用する
そして何より、「ツラいよね、悩むよね」っていう共感だったり、「うちの子も全然食べなかったけど食べるようになったよ!」っていう体験談があなたの支えになることを忘れないでください。
今までおっぱいやミルクしか口にしていなかった赤ちゃんからすると未知の体験です。そう考えると、戸惑ってしまうのも当たり前なのです。
あなたは十分頑張っています。完璧である必要はありません。今日は赤ちゃんと一緒に、笑顔で食事を楽しんでみませんか?
きっと、いつか振り返ったとき「あの頃は大変だったけど、今となっては良い思い出」になる日が来ます。今はまだ大変な時期かもしれませんが、あなたは一人じゃありません。多くのママが同じ道を歩き、乗り越えています。
一歩ずつ、赤ちゃんのペースで。それが一番大切なことです。


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