「あーんして〜」と言っても大泣き、歯ブラシを見ただけで逃げ回る、仕上げみがき中に暴れまわる…。そんな歯みがき嫌いの子どもを前に、「このまま虫歯になったらどうしよう」と心配になりますよね。
私も1歳半の娘が歯みがきを大嫌いで、毎晩格闘していました。「歯みがきの時間だよ〜」と言うと、泣きながら部屋の隅に隠れてしまうほど。でも今では、自分から「歯みがきしたい!」と言うように変わったんです。
実は、2歳頃になると、子どもは自我が芽生え始め自己主張が強くなる時期で、「イヤイヤ期」は歯磨きだけでなく、いろんなことに対して何でも「イヤ」と拒否することが多くなります。つまり、歯みがきを嫌がるのは、子どもにとって自然な反応なんですね。
この記事では、歯みがき初心者のママでも今日からすぐに実践できる、子どもが笑顔で歯みがきしてくれるコツを、実体験を交えてお伝えします。
なぜ子どもは歯みがきを嫌がるの?理由を知って対策しよう
子どもが歯みがきを嫌がる主な理由
子どもが歯みがきを嫌がる背景には、いくつかの理由があります。
1. 痛い・怖い体験がある
嫌がるからと焦って力任せにゴシゴシ磨いていませんか?という指摘があるように、つい焦って強く磨いてしまうことで、歯ぐきを傷つけて痛みを与えてしまい、「歯磨き=痛い」という印象を子供に植え付けてしまいます。
2. 口の中に異物が入る不快感
子どもの歯や歯茎はとてもデリケートです。大人にとって何でもない歯ブラシも、子どもには大きくて違和感があるものなのです。
3. 何をされるかわからない恐怖
2歳児の子どもになぜ歯磨きをしなくてはいけないのか、必要性を理解させようとしても理由がわからないため、ただ嫌なことをされていると感じてしまいます。
虫歯の現状を知っておこう
歯みがきの重要性を改めて確認しておきましょう。4歳以上8歳未満ではう歯を持つ者の割合が40%前後というデータがあります。つまり、10人に4人は虫歯になっているということです。
乳歯は磨き残しがあることですぐに虫歯になってしまいがちで、特に前歯が生えそろう1歳頃は、上の前歯の外側や隣接面に虫歯が出来やすい傾向にあります。
でも安心してください。3歳までに虫歯のリスクを抑えることができると、虫歯になりにくい口内環境が大人になっても続きます。今、適切な対策をすれば、子どもの歯を守ることができるんです。
コツ1:「痛くない歯みがき」の基本テクニック
正しい歯ブラシの持ち方と動かし方
まず、仕上げみがきの基本から見直してみましょう。仕上げ磨きは鉛筆を持つように歯ブラシを握り、優しく細かく動かすのがコツです。
具体的な手順は以下の通りです:
1. 歯ブラシの持ち方
– 鉛筆を持つようにペングリップで持つ
– 力を入れすぎないよう、軽く握る
2. 磨き方のポイント
歯ブラシの動かし方はできるだけ小さい幅で細かく優しく動かすことがコツです。あまり力を入れず、歯ブラシの毛先が軽く当たる程度で十分です。
3. 注意すべき部位
上の前歯の付け根には上唇小帯(じょうしんしょうたい)という筋があり、そこを歯ブラシで擦ると大人でも飛び上がるほど痛いです。仕上げ磨きの際は指でその部分をガードしながら磨いてあげると安全です。
子どもに適した歯ブラシ選び
歯ブラシ選びも重要なポイントです。子ども用の歯ブラシを使いましょう。大人用よりも小さめに作られているので、違和感を少なくできます。また、毛先の丸いものを選ぶと、歯茎に当たった際も刺激が少なくて済みます。
歯が生え始めたばかりの赤ちゃんには、最初期の素材は、シリコンを選びましょう。質感が歯茎に似ているので、違和感を減らせます。
我が家では、最初はシリコンの指サック型から始めて、慣れてきたら子ども用の小さな歯ブラシに変えました。急に変えると嫌がるので、徐々に慣らしていくのがおすすめです。
コツ2:歯みがきを「楽しい時間」に変える演出術
歌や音楽を取り入れる
歌を歌いながらリズムに合わせて歯ブラシを動かしたりするのもおすすめです。例えば、NHK教育テレビで流れる「はみがきじょうずかな」では、明るい曲調に合わせて、子どもが自発的に磨く様子が放映されています。
実際に我が家でも効果があった歌をご紹介します:
– 「はみがきじょうずかな」(NHKみんなのうた)
– 「『絵本のリズムを歌うといやがらなくなった!』という声が寄せられるノンタンの歌
– カウントしながら歯を磨くという方法(10、9、8…のカウントダウン)
ママ・パパの表情と声かけ
ママやパパが「歯を磨かなければ!」と一生懸命になるあまり怖い顔をしていると、子どもも怖くなって「嫌なことをさせられる」という気持ちになってしまいます。
歯磨きをするときには「リラックスして笑顔で」を忘れないようにしましょう。私も最初は真剣すぎて、娘から「ママ、怖い顔してる」と言われたことがあります。それからは意識して笑顔を心がけるようにしました。
「あー、歯がキレイになって気持ちいいなぁ。ピカピカになったよー!」と大袈裟なくらい言っていますという体験談もあるように、ポジティブな声かけが効果的です。
コツ3:絵本と遊びで歯みがきを身近なものにする
おすすめの歯みがき絵本
歯磨き絵本を利用すると、楽しみながら感覚的に理解してくれます。年齢別におすすめの絵本をご紹介します。
1歳〜2歳向け
– 『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』:電車好きの子どもに大人気
– 『ノンタンはみがきはーみー』:リズミカルで覚えやすい
2歳〜3歳向け
– 『はぶらしくんです。』:歯ブラシを擬人化した優しいストーリー
– 『だーれのは?』:動物の歯から学ぶ楽しい絵本
効果的な絵本の活用方法
読み聞かせたり、歯磨き時に本を見ながら歯磨きするのが良いでしょう。我が家では、歯みがき前に必ず絵本を読んで、「◯◯ちゃんも電車さんみたいに、お口あーんしてみようか?」と声をかけています。
絵本をうまく使えば、子供が自主的に口を開いてくれるようになります。「絵本で○○ちゃん(キャラクター名)が大きく口を開けてたね」「どんな風に口を開けてた?」というように声をかけて実践するのも効果的です。
コツ4:子どもが喜ぶ「特別感」を演出する
好きなキャラクターグッズを活用
お子さんが好きなキャラクターの入った歯ブラシやコップを使うのも、歯磨き好きにするためのコツです。トーマスの形をしたはぶらしを手に入れたときは、はみがきする!と言って自分からはみがきしていましたという体験談もあります。
歯ブラシを買う際には、お子さんに選んでもらうと良いでしょう。自分で選んだものには愛着がわくので、歯みがきへの興味も高まります。
ご褒美システムの工夫
歯磨きをしたらご褒美をあげると、徐々に前向きに取り組んでくれるようになるお子さんもいます。ただし、ご褒美といっても、お菓子をあげていては歯を磨いた意味がなくなってしまいます。
効果的なご褒美の例:
– 1回の歯磨き毎にキャラクターのシールを貼っていくなど
– 100%キシリトール製品のもの
– 歯みがき後のスペシャルな読み聞かせタイム
– 歯みがきカレンダーにスタンプを押す
きょうだいがいる場合の実践的な対処法
上の子が嫌がっているときの下の子の安全確保
きょうだいがいるご家庭では、一人が歯みがきを嫌がって暴れているときに、もう一人の子の安全をどう確保するかが問題になりますよね。
安全確保の具体的方法:
– 下の子をベビーサークルやハイローチェアに座らせる
– お気に入りのおもちゃを渡して注意を引く
– 上の子の歯みがき中は、下の子に「お兄ちゃん(お姉ちゃん)頑張ってるね〜」と声をかけて参加している気分にする
同時に歯みがきタイムになったときの回し方
二人同時に歯みがきタイムになったときのコツをお伝えします。
効率的な進め方:
1. まず二人とも自分磨きをさせる(2〜3分)
2. 上の子から仕上げみがき(この間、下の子は歯みがき絵本を見る)
3. 下の子の仕上げみがき(この間、上の子はうがいやお片付け)
我が家では、「歯みがき隊長」を交代制にして、隊長になった子が「みんなー、歯みがきの時間だよー!」と声をかける役割をしています。これが意外に盛り上がって、どちらも自分から進んで歯みがきしてくれるようになりました。
月齢・年齢別の具体的なアプローチ
生後6か月〜1歳:歯みがきに慣れる時期
赤ちゃんの頃から、慌てず焦らず、ガーゼみがきなどから始め、徐々に歯ブラシに慣れさせることが大切です。
この時期のポイント:
– 濡らしたガーゼで歯茎を拭くところから開始
– 食後すぐではなく、機嫌の良いときに行う
– 短時間(30秒程度)から始める
– 嫌がったら無理をせず、翌日また挑戦
1歳〜2歳:自分磨きの練習開始
この時期は、自分で歯ブラシを持ちたがる子も多いですね。
実践のコツ:
– 子ども用歯ブラシを持たせて「カミカミ」させる
– ママ・パパの歯みがきを真似させる
– 「おいしいね〜」「気持ちいいね〜」の声かけ
– 仕上げみがきは膝の上に寝転がらせて
2歳〜3歳:イヤイヤ期の乗り越え方
一番大変な時期ですが、お子さんが歯磨きを好きになってもらうには少し時間がかかることです。しかし、保護者の方が歯磨きの時間に怒ることなく、気長に今回紹介させていただいたコツを実践していけば、少しづつお子さんが歯磨きに対して前向きになってくるでしょう。
この時期の対応:
– 1歳半や2歳でも、どうして歯磨きが必要なのか説明しましょう
– 絵本や歌を積極的に活用
– 選択肢を与える(「どっちの歯ブラシにする?」「どの歌を歌う?」)
– できたことをしっかり褒める
どうしてもうまくいかないときの最終手段
歯科医院での相談
あらゆる手を試しても毎回大泣き・大暴れで全く歯磨きできない場合、一度歯科で相談してみましょう。お口の専門家に客観的に見てもらうことで、何か別の原因(口内炎や虫歯の痛み、発達特性など)が見つかるかもしれません。
プロからのアドバイスを受ける
歯科医院では子供への歯磨き指導も行っています。歯磨きの練習だけでも対応してくれるところもあるので、プロにコツを教わるのも有効です。
ある程度の年齢になると保健所などで検診と合わせ指導をしてくれることもあるので、利用してみるといいかもしれません。
便利グッズで歯みがきタイムをもっと楽に
年齢別おすすめアイテム
0歳〜1歳向け:
– シリコン製指歯ブラシ
– ガーゼタイプのお口拭き
– 歯固め兼用歯ブラシ
1歳〜2歳向け:
– 喉突き防止機能付き歯ブラシ
– 味の付いたはみがき粉(キシリトール入り)
– 歯みがき練習用おもちゃ
2歳〜3歳向け:
– キャラクター歯ブラシ
– 歯みがき絵本
– うがい練習コップ
便利グッズを選ぶときのポイント
グッズ選びで大切なのは、子どもが「自分でできた!」という達成感を味わえることです。どちらもすぐに慣れてしまうので長期ではあまり期待できないかもしれませんが、やってたことない方は一度試してみてはいかがでしょうかという指摘もあるように、完璧を求めすぎず、「今日はこれで興味を持ってくれた」という程度の気持ちで活用するのがおすすめです。
体験談:我が家の歯みがき大作戦
娘が歯みがき好きになるまでの道のり
1歳半から2歳にかけて、娘の歯みがき嫌いがピークでした。仕上げみがきのたびに大泣きして、近所に聞こえるんじゃないかと心配になるほど。
そんなとき、小児歯科で「まずは歯みがきに良いイメージを持ってもらうことから始めましょう」とアドバイスを受けました。そこで実践したのが以下の方法です。
1週目:絵本作戦
『はみがきれっしゃ』の絵本を毎晩読み聞かせ。最初は興味を示さなかったものの、1週間続けると電車が好きな娘は少しずつ反応するように。
2週目:歌作戦
絵本と一緒に「しゅっしゅっぽー」の歌を歌いながら、ぬいぐるみの歯みがきごっこを開始。娘も真似して「しゅっしゅっぽー」と言うように。
3週目:実践開始
ついに娘の口に歯ブラシを入れることに成功!最初は5秒程度でしたが、「すごーい!電車さんみたいにお口あーんできたね!」と大げさに褒めると、嬉しそうな表情を見せました。
1か月後:習慣化
「歯みがき電車、出発しまーす!」の合図で、自分から寝転がってくれるように。今では「もっとして!」とリクエストされるほどです。
失敗から学んだこと
途中、焦って強く磨いてしまい、一時期逆戻りしたこともありました。そのときに学んだのは、あせって力任せにゴシゴシすることで子どもが「歯みがきが怖いもの」と認識してしまうのは困りますよねということ。
やさしくあせらずに歯みがきをしてあげることが大切だと実感しました。一度嫌なイメージがついてしまうと、取り戻すのに時間がかかります。
まとめ:今日から始める歯みがき習慣づくり
歯みがきを嫌がる子どもへの対応は、一朝一夕にはいきません。でも、子どもが歯みがきを嫌がるのは自然なことだと理解して、焦らずに取り組むことが大切です。
今回ご紹介した4つのコツをもう一度まとめると:
1. 痛くない歯みがきの基本テクニック:優しく、細かく、短時間から
2. 楽しい時間の演出:歌、笑顔、ポジティブな声かけ
3. 絵本と遊びの活用:年齢に合った絵本選びと効果的な使い方
4. 特別感の演出:キャラクターグッズやご褒美システム
「歯磨き=楽しい」というイメージをつけていくよう心がけましょう。そして、毎日の正しい歯みがき習慣、むし歯にならない口腔ケアは、小さいころから身につける事が大切です。
最後に、完璧を目指さないでください。今日は5秒でもお口を開けてくれた、昨日より泣く時間が短くなった、そんな小さな進歩を見つけて、親子で一緒に歯みがき時間を楽しんでいきましょう。
きっと数か月後には、「歯みがきの時間だよ〜」の声に、笑顔で「はーい!」と返事をしてくれる日が来るはずです。今日から、できそうなことから一つずつ始めてみてくださいね。

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