はじめに:トイレでおしっこが出ない、それは当たり前の反応です
「トイレに座るけど、おしっこが全然出てくれない…」「本人も『出ない』って言うし、どうしたらいいの?」
そんな風に悩んでいるママ、本当にお疲れさまです。実は、最初からトイレで出なくてもあせることはありません。場所に慣れるのが最初のステップだからです。
生まれてからずっとオムツの中でおしっこをしてきた子どもにとって、トイレで出すのは「バンジージャンプ」並みに怖いこと。「できるよ!」「できたら楽しいよ!」 と言われたところでそんな簡単にはできるようにならないのが自然なんです。
今日は、そんな「トイレで出たがらない」お子さんを持つ初心者ママに向けて、専門家の知見と実際のママたちの体験談をもとに、今すぐ実践できる7つの基本ステップをお伝えします。
トイレで出ない理由を知れば対策が見えてくる
1. 体の準備ができていない可能性
2時間以上おしっこの間隔があくかどうかを確認しましょう。あかなければ、しばらく様子を見ます。膀胱におしっこをためられる量には個人差があり、膀胱の感覚が過敏ですぐにおしっこをしたくなる子もいます。
特に、夏なら1時間半、冬なら1時間ぐらい濡れないようになれば、からだの準備が整ったサインです。まずはオムツの濡れ具合をチェックしてみましょう。
2. トイレ環境への不安
トイレが暗い、水の流れる音が怖い、便座が冷たい、姿勢が不安定で不安など、大人には意外に感じることが原因の場合もあります。
実際に、現役保育士のてぃ先生もまずはトイレの電球を変えてみてくださいと提案しています。家のトイレは「オレンジ色の電球色がほとんど。フワッとした光はやさしいけど、若干暗い」ことが、子どもには怖く感じられるのです。
3. 心理的な抵抗感
生まれてからずっとオムツで排泄をし続けた子どもは、実はオムツを外した状態で排泄をすることができないケースがあります。
これは決して珍しいことではありません。子どもにとって、今まで慣れ親しんだオムツから離れるのは大きな変化なのです。
【基本ステップ1】まずはオムツを外した状態での排泄をチェック
トイレトレーニングの前に、必ず確認してほしいことがあります。それは「オムツなしで排泄ができるかどうか」です。
具体的な確認方法
1. お風呂場での確認
お風呂場でお湯を流していると、そこでジャーっとオシッコが出ちゃうこともあります。そういう時にも『チッチ出た、チッチ出た』と教えてあげましょう。
2. 庭やベランダでの確認
暖かい日に、庭やベランダで遊んでいるときにオムツを外してみて、自然におしっこが出るかを見てみます。
3. 部屋での短時間テスト
防水シートを敷いて、短時間オムツを外してみます。自然におしっこが出たら「チッチ出たね」と明るく伝えましょう。
きょうだい育児の場合の安全確保
下の子がいる場合は、上の子のオムツなし時間中は目が離せません。下の子を安全な場所(ベビーベッドやバウンサー)に寝かせておくか、パパがいるときに実践しましょう。
【基本ステップ2】トイレ環境を子ども目線で整える
明るさと音の調整
保育園や病院のトイレは昼白色を使っていることが多く、明るいんですが、家のトイレってオレンジ色の電球色がほとんど。LED電球を昼白色に変えるだけで、トイレへの恐怖心が和らぐことがあります。
足の安定感を確保
足がつかないため、安定感がないことが、トイレでの排泄を妨げる大きな要因です。
おすすめの対策:
– しっかりとした踏み台を用意
– 足がぶらぶらしないよう、踏み台の高さを調整
– 足を置けるように、ステップ台のようなものを用意してあげると安心感が生まれる
補助便座の選び方
おまるや子ども用便座のデザインは、すっきりとシンプルなものがおすすめです。中には音が鳴ったり、かわいいキャラクターが描かれているものもありますが、排泄に集中せず、遊ぶ原因になってしまいますので、避けたほうがよいでしょう。
【基本ステップ3】タイミングを見極めた声かけ術
効果的な誘いタイミング
モジモジするなどのシグナルを出たときや、おむつ替えから2時間近くたったときなどが誘いどきです。
具体的な誘いタイミング:
– 朝起きた直後
– 食事の前後
– お昼寝明け
– お風呂の前
– 朝起きたときや、昼寝明けにトイレに座らせてみましょう。寝ている間にたまったおしっこがもしかすると出るかもしれません
声かけの言葉選び
「行きなさい」といった命令口調ではなく、「一緒にトイレ行こう!」「トイレでおしっこ出たら、シール貼ってみようか」と、楽しく、明るい口調で誘うことが大切です。
NGな声かけ:
– 「トイレに行きなさい」
– 「おしっこ出しなさい」
– 「がんばって」(プレッシャーになることも)
OKな声かけ:
– 「ママと一緒にトイレ行ってみようか」
– 「トイレさんに挨拶しに行こうか」
– 「おしっこさん、出たいかな?」
【基本ステップ4】「出ない」ことを受け入れる姿勢
「空振り」も成長の一歩
あまり空振りが多いと子どもも何のためにトイレに連れて来られるのかわからなくなってしまいますが、最初は場所に慣れるのが最初のステップだからです。
出ないときの対応法
1. 短時間で切り上げる
長時間座らせるのは逆効果。3-5分程度で「また今度ね」と明るく切り上げましょう。
2. 座れたことを褒める
トイレに座れただけでも「今日は座れたね、すごいね!」と褒めてあげてください。
3. プレッシャーをかけない
おしっこが出る、出ないにこだわらず、「トイレに行って座る時間が来たよ」ということを知らせるつもりで声かけをする。
きょうだい育児での時間調整
下の子がぐずっている時は無理にトイレタイムを作らず、下の子が落ち着いているタイミングを狙いましょう。「お兄ちゃんのトイレタイム中は、赤ちゃんも一緒に応援してもらう」など、家族みんなでサポートする雰囲気を作ることも大切です。
【基本ステップ5】褒め方と叱らない技術
医師が推奨する正しい褒めタイミング
子どもが行きたいと言ったときにトイレで排尿が成功し、年齢に適切な量の尿を出すことができた際に「おしっこ沢山出て良かったね」と褒めてあげることが、トイレトレーニングの進め方です。
ただし、トイレのたびに褒めていては「トイレでおしっこを出すとお母さんや先生が喜んでくれる」とインプットされてしまうと、健気な子どもたちは無理しておしっこを出そうとします。
失敗したときの対応
トイレに間に合わなくて出てしまっても、出たあとでしか教えられなくても「おしっこ出たね。よかったね」、「チッチを教えてくれてうれしいよ」と、とにかくほめてあげましょう。
具体的な声かけ例:
– 「教えてくれてありがとう」
– 「次はトイレでできるかもしれないね」
– 「おしっこが出たことがわかったんだね、すごい」
絶対にNGな対応
– 「どうして教えてくれなかったの?」
– 「またおもらししたの?」
– がっかりした表情を見せる
– 「お兄ちゃんなんだから」と責める
【基本ステップ6】個性に合わせたアプローチを見つける
子どものタイプ別対策
慎重派タイプ:
– 急かさず、子どものペースを尊重
– 新しい環境への慣らし時間を十分に取る
– どうしても嫌がるときはいったん中断して、子どもからの「おしっこがしたいサイン」を待って再スタートするのがよいでしょう
好奇心旺盛タイプ:
– トイレを楽しい場所にする工夫
– 好きなキャラクターのポスターや、水を流すボタンにシールなどを貼って、「○○ちゃんは水を流す係。このキャラクターといっしょにお水を流してみようね」と役割をもたせるのもいい
完璧主義タイプ:
– 失敗を恐れないよう、小さな成功を積み重ねる
– 「練習中だから大丈夫」と伝える
感覚特性がある子への配慮
聴覚過敏で「トイレを流すや、手を乾かすジェットタオルの音」が苦手な子や、触覚鈍麻で「おしっこやうんちがでたこと」に気づかない、出る感覚が分からない子もいます。
お子さんの反応をよく観察して、苦手な要素を一つずつ取り除いていきましょう。
【基本ステップ7】生活全体を整えてサポートする
便秘対策も重要
排便の痛みがある状態では、「トイレに行きたくない」「いく必要がない」という気持ちが強くなり、トイレ排便を嫌がるようになることがあります。
便秘がちな子は、まず便秘の改善から始めましょう:
– 水分摂取量を増やす
– 食物繊維の多い食事を心がける
– 規則的な生活リズムを整える
服装の工夫
着脱しやすい衣類にして、すぐにトイレに行けるようにしてあげることも大切ですね。
おすすめの服装:
– ウエストゴムのズボン
– 前開きより後ろ開きの服
– 脱ぎやすい靴下
きょうだい育児での工夫
上の子のトイレトレーニング中に下の子が泣いてしまう場合は:
– 下の子をベビーカーに乗せてトイレの近くで待機
– お気に入りのおもちゃで気を引く
– パパが在宅時にトイレタイムを集中して行う
– 下の子のお昼寝時間を有効活用する
実際のママたちの成功体験談
Aさん(3歳男の子)の場合
「息子は『トイレで出る』と言うのに、座ると『やっぱり出ない』の繰り返しでした。『頑張ってやってみてごらん』と励ますつもりで言うと、『どうやったら出るのかわからないよ。もうちょっと大きくなったらおトイレでするよ』と言われてしまって。
一度トレーニングを中断して、子どものペースに任せたら、1か月後に自分から『トイレ行く』と言ってくれるようになりました。」
Bさん(2歳8か月女の子、下に6か月の赤ちゃん)の場合
「下の子がいるので、なかなか上の子のトイレタイムに集中できませんでした。でも、朝起きた時や食後、お昼寝の後、お風呂の前、就寝前などのタイミングでトイレに座らせるように決めて、下の子が機嫌の良い時を狙って実践。
3週間ほどで、朝起きた時だけは必ずトイレでおしっこが出るようになりました。」
Cさん(2歳5か月男の子)の場合
「布パンツ+おむつ」のスタイルを試してみました。最初は布パンツを息子に選ばせて、「大好きなパンツを汚さないためには、どうしたらいいのかな?」と声をかけていたら、だんだん意識するように。
失敗してもパンツが濡れる感覚で『気持ち悪い』と分かるようになり、自然にトイレを意識するようになりました。」
長期化しても焦らない!専門医からのアドバイス
3歳頃にトイレトレーニングが完了する子が多い」というのは一般的な目安であり、実際には4~5歳、小学校入学間近になってようやくトレーニングが終わるお子さんもいます。
いつ専門医に相談すべき?
オシッコの飛びが悪く、おもらしが続く時は小児科の専門医に見てもらった方がいい場合があります。
相談の目安:
– 4歳を過ぎても全くトイレでおしっこが出ない
– おしっこの勢いが明らかに弱い
– 1日の排尿回数が異常に多い(10回以上)
– 便秘が続いている
園との連携も重要
通っている保育園・幼稚園とのトイレトレーニングの対応が連携していることも大切です。一度、園に声を掛けてみるのもいいでしょう。
家庭と園で方針が違うと、子どもが混乱してしまうことがあります。
まとめ:今日から始められる3つのポイント
トイレで出たがらない子へのアプローチは、実はとてもシンプルです。
今日から実践できる3つのこと
1. トイレ環境の見直し
電球を明るいものに変え、踏み台で足の安定感を確保する
2. 「出なくてもOK」の気持ちで接する
座れただけで褒め、出ないことを責めない
3. 子どものサインを待つ
親のタイミングではなく、子どもからのサインを大切にする
きょうだい育児のママへ
下の子がいると、上の子のトイレトレーニングに十分な時間を割けないことがありますが、それでも大丈夫。短時間でも継続することで、必ず進歩が見られます。
同時に起きた時の対処法:
– 下の子が泣いても、まずは上の子のトイレを5分で完了させる
– 「赤ちゃんも○○ちゃんを応援してるね」と声をかけて包括する
片方に手が離せない時の安全確保:
– バウンサーやハイローチェアに下の子を寝かせる
– 上の子のトイレ中は下の子を抱っこしながら付き添う
最後に
子どもの成長は親の成長でもあります。周りに流されず、自分たちのペースでおむつを卒業できたことは、ひとつの自信につながっています。
「いつかは必ずできるようになる」その気持ちで、お子さんと一緒にゆっくり進んでいきましょう。今日座れただけでも、それは大きな一歩です。
明日からは、お子さんの小さな変化に気づいてあげること。その積み重ねが、3週間後の「トイレでおしっこができた!」という嬉しい瞬間につながっていくはずです。
ママ、本当にお疲れさまです。今日も一日、お子さんと一緒に成長していきましょうね。


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